アマゾンFBA在庫の紛失・破損時に知っておくべき補償ポリシー
アマゾンのFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用するセラーにとって、倉庫内での在庫の紛失や破損が発生した場合の補てんポリシー(補償ポリシー)を理解しておくことは重要です。
補償の対象となる条件、申請方法、補償額の計算基準などを詳しく解説します。
関連記事も合わせてご覧いただくことで、より冷静に適切な対応を行えるようになります。
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なぜFBA倉庫で商品が紛失するのか?
FBA倉庫では、日々膨大な数の商品が入出庫されています。
この過程で、以下のような理由から商品が紛失してしまうことがあります。
- 納品時のミス
配送業者がFBA納品した商品が正しくスキャンされない場合、倉庫システムに登録されず紛失扱いになることがあります。 - 倉庫内での人為的エラー
商品の配置ミスや棚卸し時のカウントミスにより、在庫が行方不明になるケースもあります。 - 顧客への配送中に発生するトラブル
商品が顧客のもとへ正しく届かず、その後返送もされないことが原因になる場合があります。
これらの理由により、商品が「紛失」として扱われた場合、アマゾンの補償ポリシーに基づき対応が進められます。
アマゾンFBAで商品が紛失した場合の対応手順
1. 紛失した?と思ったら最初にすべきこと
紛失が疑われる場合、まずは以下の手順で問題を特定します。
納品タブを確認
アマゾンセラーセントラル内の「在庫」→「納品」にて
該当の「納品名」をクリックし
「納品の追跡」タブにて、荷物の配送状況や受領状況を改めて確認したり
「納品プランの内容」タブで、どの商品が何個なくなったのか?確認します。
在庫調整レポートを確認
もしくは「在庫調整レポート」で確認する方法もあります。このレポートでは、在庫の状態が「紛失」「配置ミス」「破損」といった分類で表示されます。該当する商品がリストに含まれているかを確認しましょう。
商品が自動的に補償されるまで待つ
アマゾンでは、紛失が発生してから通常30日以内に、自動的に補償手続きが行われます。この間は、新しい在庫調整レポートを随時チェックすることが重要です。
2. 自動補償が行われない場合の手続き
自動補償が行われない場合、以下の手順でサポートに調査依頼(調査リクエスト)を行います。
アマゾンテクニカルサポートへの問い合わせ
セラーセントラル右上の「ヘルプ」→「サポートとリソースを利用する」から、通常テクサポに問い合わせるやり方で、調査リクエスト(調査依頼)が可能です。
別の方法として、「在庫」→「納品」→「該当の納品名」→「納品プランの内容」にて、状況を確認しつつ、直接調査リクエストが送信できるようにもなりました。
リクエスト時には、以下の情報を記載することを忘れないでください。
- 商品買付時の領収書や、領収書の注釈などの資料添付
紛失商品の領収書や関連資料を添付すると、調査がスムーズに進みます。 - 梱包箱のサイズや重さなど、数値的、外見的な特徴
- FBA納品した際の、FedExやUPSなど輸送会社の追跡情報
自動補償は期待できるのか?
残念ながら、アマゾンの対応は必ずしも迅速ではなく、場合によっては補償が行われないケースもあります。
そのため、セラー自身が積極的に行動することが大切ではあるものの、実は焦り過ぎてもあまり効果的ではありません。
それは、納品後からと調査可能になるまで「時差」があるからです。
紛失直後に補填(補償)されるわけではない
紛失が発生してから30日以上経過していないと補填出来ない点にもご留意下さい。
また、紛失が発覚し焦って連絡しても、
下記のようなテンプレの返信が毎回送られてくるだけ…ということもありますし、適当にあしらわれて(提出した領収書が不適切等の理由で)ケースを閉じられることもあり得ます。
– Date of the purchase
– Product names of the missing items
– Quantity purchased
The purchase price isn’t required and can be concealed. For re-evaluation cases, the purchase price can’t be concealed.
Make sure to provide invoices for all of the units that you’ve sent in your shipments, from the invoice date to the shipped date of the shipment currently under investigation.
We do not accept pro forma invoices or similar contracts as proof of ownership because they don’t demonstrate a completed purchase.
・購入日
・紛失した商品の商品名
・購入数量
購入価格の記載は必要ありませんが、非表示にすることが可能です。ただし、再評価の場合は、購入価格を非表示にすることはできません。
提出する資料は、調査対象となっている発送分について、請求書の日付から発送日までに出荷したすべての対象商品の請求書であることを確認して下さい。
見積送り状やそれに類する契約書は、購入が完了したことを示すものではないため、所有権を証明する書類として受け付けできません。
請求書および納品書は、編集できない形式である必要があります。請求書は、サプライヤーまたはメーカーが作成したことが明らかでなければなりません。Excel、Word、またはその他の編集可能な形式の文書は受け付けていません。そのため、元の請求書のコピー(スキャン)または画像を、PDF、JPG、JPEG、PNG、TIFFのいずれかの形式で提出していただく必要があります。
関連URL:
受領差異の照会(米国アマゾン公式ヘルプ)
https://sellercentral.amazon.com/help/hub/reference/G201214140
それは、アマゾン側に悪意があってそうしてるのではなく、
調査開始前だったり、30日間の自動補填期間内だったりと、アマゾン側のプログラムポリシー(規約)と干渉したり重複した要求をセラー側がしていて、
「まだこっちもあれこれ確認進めてるから待ってくれ」状態になってる可能性もあります。
積極的に連絡して食い下がる姿勢は大切ですが、不適切な申請(過剰なリクエストや誤情報)はアカウントに影響を与える可能性があるのでご留意下さい。
自動補償が機能しないケース
アマゾンのシステムは、在庫の不整合や紛失を検知し、自動的に補償手続きを進める仕組みを持っています。しかし、次のような状況では、システムだけに頼ることがリスクとなります。
- 紛失がレポートに記載されていない場合
- 納品データや追跡情報がシステムで正しく処理されていない場合
- 紛失後の経過日数が長くなり、補償期限を逃してしまう場合
セラーからのアクション
アマゾンは、紛失に関する詳細なデータや証拠がない限り、積極的に返金や補償を行いません。
そのため、セラーが以下のアクションを起こすことが求められます。
- 定期的に在庫調整レポートを確認
自動補償を待たず、問題がないか自分でデータを確認する習慣をつけましょう。 - 必要に応じて調査リクエストを送信
紛失や破損の兆候を見つけたら、すぐにサポートに連絡し、調査を依頼します。この際、納品記録や追跡番号などの証拠を揃えておくことが重要です。 - 期限内に補償請求を行う
紛失発生日から9か月以内に請求を行う必要があります。特に、アマゾンのシステムが補償手続きを進めていない場合、早めの行動が求められます。
補償請求の期間と条件
補償請求には期限が設定されています。
期限を超過すると、補償対象外となるため注意が必要です。
- 請求が可能になる条件
紛失が発生してから30日以上経過していること。 - 補償請求可能期間
紛失や破損が発生した日から9か月以内。これを過ぎると請求できなくなるため、定期的な在庫確認が不可欠です。
念のため、テクサポ(テクニカルサポート=セラー専用の問い合わせ窓口)にも本件確認しましたところ、下記返信をいただきましたので共有させていただきます。
AmazonのFBA在庫の返金ポリシーでは、 Amazonへの納品申請の場合、Amazonフルフィルメントセンターへの納品時に紛失した商品に関する申請はすべて、納品お届け日から9か月以内に提出する必要があります。
補填(補償)申請期間は、状況によってバラバラ?!
ポリシーの更新: 補てん申請の対象期間の変更
「在庫紛失(もしくは破損)」と一言で言っても、FBA(アマゾン公式倉庫)への納品時に倉庫内で紛失したのか、倉庫から倉庫への移管中に紛失したのか、はたまた、
顧客への配送時、返品時、返送手続き時(セラーがFBA在庫を、指定の住所まで返送してもらうこと)…などなど様々なケースが考えられます。
どのタイミングで&どこで?によって補填申請の期間や期限が異なる点は、正直非常にややこしく、プログラムポリシー(規定)も変更されるのでご留意下さい。
手動による申請はすべて、以下の期間内での提出が必要になります。
- フルフィルメントセンターで商品が紛失または破損した場合の、フルフィルメントセンターでの作業に対する補てん申請は、商品の紛失または破損が報告されてから60日以内に提出する必要があります。
- FBAの購入者返品に対する補てん申請は、購入者への返金または商品の交換が行われた日から60~120日の間に提出できます。購入者が商品を返品してAmazonで処理するための時間を確保できるように、60日より前に申請を提出することはできません。
- 輸送中に紛失した商品の返送に対する申請は、納品プラン作成日から15~75日の間に提出できます。
- 返送に対するその他の申請はすべて、商品が出品者に届いてから60日以内に提出する必要があります。
最新のポリシーを確認するには、FBA在庫の補てんポリシーをご覧ください。
補償対象の条件
以下の条件を満たす商品が補償対象となります:
- FBAに登録されている商品であること。
- FBA商品の制限事項や納品在庫要件に準拠していること。
- 納品プランに記載した商品および数量を正確に納品していること。
- 商品が廃棄、キャンセル、または削除済みのステータスではないこと。
- 商品が購入者によって破損されたものではないこと。
- セラーアカウントが通常(正常)のステータスであること。
補償申請の方法
補償を申請する際のプロセスは、紛失または破損が発生した場所によって異なります。以下は主な例です:
- 納品プロセス中の紛失・破損
アマゾンFBA倉庫への配送中に発生した場合、配送記録や納品情報を基に申請を行います。 - FBA倉庫内での紛失・破損
アマゾン倉庫内での在庫管理や移動中に発生した問題について申請を行います。 - 購入者の返品プロセス中の問題
購入者が返品した商品が紛失または破損した場合に申請可能です。 - 所有権の放棄や返送中の問題
出品者が所有権を放棄した商品や、返送中に発生した問題について申請できます。
申請に際しては、適切な情報(納品ID、輸送業者の追跡番号、商品のFNSKUやASINなど)をアマゾンに提出する必要があります。
詳細な手順は、公式ページに記載されています:
補償額の計算基準
補償額は、商品の推定販売価格を基に計算されます。計算基準は以下の通りです:
- 過去18か月間の販売実績
出品者が設定した商品の中間価格を基準とします。 - 同一商品の市場価格
他の出品者が設定した価格やアマゾン内での定価を参考にします。 - 推定販売価格の計算
複数の価格指標を基に算出。必要に応じて追加情報を要求される場合があります。
補償額の上限:1点あたり最大5,000ドル。高額商品には別途保険をかけることが推奨されます。
注意事項と補足情報
- 紛失商品が後日発見された場合、アマゾンは補償額を差し引き、商品の所有権を変更する権利を持ちます。
- 補償済みの商品が再販される可能性があります(例:Amazonアウトレット)。
- 不適切な申請(過剰なリクエストや誤情報)はアカウントに影響を与える可能性があります。
トラブル対応をスムーズにするために
FBAを利用する際は、定期的に在庫レポートを確認し、必要に応じて調査依頼を行うことが大切です。
また、補償ポリシーに精通していることで、予期せぬトラブルにも適切に対応できるでしょう。
この記事の内容が、アマゾン物販を運営する皆様にとって役立つ情報となれば幸いです。
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